飲酒は体に悪いかもしれない:アルコールと健康に関するウェブページ選

一般に、大量の飲酒は体に悪い一方、「酒は百薬の長」とも言われ、適量なら健康に良いイメージがあります。

ところが、最近の医学研究の成果によると、一般に考えられているよりもアルコールの適量はずっと少ない可能性があるかもしれません。

ほどほどでも飲酒を続けると脳には有害?
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/10/post-8737.php

適量なら飲酒は健康にいい――という常識を覆して、少量でも長期に渡って飲酒を続けると脳がダメージを受けるという酒好きにはショッキングな研究結果

上の記事は、「週当たり14~21単位のアルコールを摂取していた人は、記憶や空間認知をつかさどる脳の部位である海馬が萎縮する確率が、飲まない人の3倍も高かった」という、2017年6月にブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)で発表されたオックスフォード大学とロンドン大学ユニバーシティーカレッジ(UCL)の研究を紹介しています。「イギリス政府の定めたガイドラインでは、飲酒は週に14単位以内にすべきとされている」ことも紹介しています。

上の記事によると、1単位は「度数4%のビールなら250ミリリットル、13%のワインなら76ミリリットルに相当する」とのことです。当ブログ管理人はビールをたまに飲みますが、日本でコンビニなどで買えるビールには、アルコール度数が5.5%とか、6%のものが多いように思えます。アルコール度数が6%のビールなら、上の計算で行くと、1単位は約167ミリリットルです。

上の記事を読むかぎり、「飲酒は週に14単位以内」がポイントであるように思われます。アルコール度数が6%のビールなら、1週間に約2.3リットル以内=1日に約333ミリリットル以内という計算になります。毎日350ミリリットル缶1本だと少しオーバーする、ということになります。

1日にお酒1杯でも寿命縮めるリスク 英研究
https://www.bbc.com/japanese/43751566

上の記事も同様のことを紹介しています。上の記事は、「最新の大規模研究」の結果、「科学者たちは死亡リスクを上昇させない安全上限が、1週間あたりアルコール飲料約12.5ユニットだと発見した。これはビール約5パイント、あるいは平均以上のアルコール度数を持つワインを175ミリリットルのグラスで5杯分に相当する」ことを紹介しています。1パイントが何リットルかは、英国と米国で異なります。上の記事のタイトルに「英研究」とありますので、英国の数字を採用すると、1パイントは0.568リットルです。すると、死亡リスクを上昇させない上限は、1週間あたりビール2.84リットル=1日あたりビール約406ミリリットルということになります(ちなみに、もし、米国の数字(1パイント=0.473リットル)を採用すると、上限は1日あたりビール約338ミリリットルになります)。ひょっとすると、上記「ほどほどでも飲酒を続けると脳には有害?」のように、ビールと言っても、日本でコンビニなどで買えるビール(度数6%とします)よりもアルコール度数が低いものが想定されているかもしれません。もしそうだとすると、度数6%のビールを飲む場合、上限はもっと低くなります。

上のほかにも、複数のウェブページが、同様の研究結果を紹介するなどしています。

「適量のお酒」ですら脳の認知機能の低下を早めるとする調査結果
https://gigazine.net/news/20170613-moderate-drinking-cause-brain-decline/

→上記「ほどほどでも飲酒を続けると脳には有害?」と同じ研究を紹介しています。

1週間に7杯を超える飲酒が寿命を縮めるという研究結果
https://www.mylohas.net/2018/06/169184drinking.html

→内容から判断して、上記「1日にお酒1杯でも寿命縮めるリスク 英研究」と同じ研究を紹介しています。

「お酒を飲むことは総合的に見て健康に悪い」という研究報告
https://gigazine.net/news/20180824-alcohol-lead-disease-worldwide/

BMJ誌から 「適度な飲酒は健康に良い」は統計のマジック 様々なバイアスを考慮した解析では、飲酒で健康になれる人はわずか
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/bmj/201503/540993.html

上の各ウェブページのほかにも、精神科医の先生が運営している「Dr 林のこころと脳の相談室」というウェブサイト(http://kokoro.squares.net/)では、「酒は百薬の長」という諺には後半があり、「酒は百薬の長、されど万病のもと」ということを紹介しています(※)。アルコールは、医学的には、麻薬や覚醒剤と同じドラッグの一種であり、世界の歴史を見れば、ドラッグの合法・非合法の区別はまったくまちまちである、現代の日本でたまたま合法化されているにすぎないと指摘もしています(※※)。
(※)アルコール依存症>書斎 http://kokoro.squares.net/alstd1.html
(※※)アルコール依存症 http://kokoro.squares.net/al0.html

本エントリーで紹介した各ウェブページは、主に、長期にわたる飲酒について述べているのであって、アルコールを1日たりとも絶対に飲んではならないとは言っていません。当ブログ管理人は、この記事を書くために、日本のビールメーカーのウェブサイトを参照していましたが、そうしているうちにビールが飲みたくなってしまいました(笑)
ともあれ、アルコールは、一般にイメージされているよりも少ない量で健康に悪影響を及ぼすようだ、と意識しておこうと思います。