「運動することは体に良い」、「健康維持のためには休息(睡眠)、食事、運動」などと一般に言われます。一方、運動もやり過ぎは体に悪い、というイメージもあります。最適な運動時間や運動量は、どのくらいなのでしょうか?
健康にいい、適度な運動量ってどのくらい?
https://www.lifehacker.jp/2018/04/how-much-exercise-do-i-really-need.html
上のウェブページでは、世界保健機関、米国疾病予防センター、米国心臓協会の三機関による、有酸素運動についての見解として、以下を紹介しています。
・ウォーキングなど、中程度の運動を週150分。できれば1回30分を5回に分けるのが理想。
・ランニングなど、激しい運動を週に75分。25分を3回が理想。
・10分未満の運動は1回にカウントせず、できるだけ1週間のうちにまんべんなく分散させる(つまり、1回で90分やっても十分ではない)。
「中程度の運動を週150分。かつ、激しい運動を週に75分」なのか、どちらか片方だけで良いのか、どちらでしょうか。上記のウェブページには「近所を散策するのが好きなら、1つ目の方法がよさそうです。ハードなトレーニングが好きで、スポーツウェアの洗濯が億劫なら2つ目の方法がいいでしょう」とありますので、後者(どちらか片方)のように思えます。上の3機関の見解は、以下の各ページを指していると思われますが、原文にはやはりそのように書いています。原文は、上に加えて、筋力トレーニングを週2回以上行うべき、座っている時間を短くすべきとも述べています。
「体格のよい欧米人なら週150分かもしれないが、比較的小柄な日本人はそうでないのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、性別や人種にかかわりなく、18歳から64歳のすべての健康な人に上記は当てはまる旨が、以下のWHOのウェブページには書いてあります。
また、3機関の以下のウェブページには、心臓病や脳卒中、2型糖尿病、がんなどの予防、不安感や抑うつ感の低減、睡眠や認知機能の改善などを運動の効果として挙げています。効果をさらに上げるためには、中程度の有酸素運動を週300分、または、激しい有酸素運動を週に150分にまで増やすべきだとも述べています。
Physical Activity and Adults
Recommended levels of physical activity for adults aged 18 – 64 years
https://www.who.int/dietphysicalactivity/factsheet_adults/en/
Physical Activity Basics
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How much physical activity do you need?
https://www.cdc.gov/physicalactivity/basics/index.htm?CDC_AA_refVal=https%3A%2F%2Fwww.cdc.gov%2Fcancer%2Fdcpc%2Fprevention%2Fpolicies_practices%2Fphysical_activity%2Fguidelines.htm
American Heart Association Recommendations for Physical Activity in Adults and Kids
https://www.heart.org/en/healthy-living/fitness/fitness-basics/aha-recs-for-physical-activity-in-adults
運動をすれば幸福度が上がる、ピークは毎日22分以上の運動量:研究結果
https://www.lifehacker.jp/2018/05/16706922minutes-mylohas.html
「週に150分の運動」は、上のウェブページでもポイントになっています。上のウェブページは、ミシガン大学の研究者たちの報告を紹介しています。それによると、運動と幸福感との間には関連があり、10分の運動でも幸福感がアップする。満足度のピークは150分である、とのことです。
「適度な運動」の「適度」がどのくらいなのか研究で判明
https://gigazine.net/news/20150429-right-dose-of-exercise/
上のウェブページも、「週に150分の運動」に関して、アメリカ国立がん研究所とハーバード大学の研究チームによる、中年を中心とする66万1000人のデータをもとにした研究結果を紹介しています。例えば以下のとおり上のウェブページは述べています。
最も早世のリスクが高かったのは「全く運動しない」というグループ。しかし、意外なことに「推奨されている運動量に達しないものの、いくらかは運動を行っていた」というグループでも、早世のリスクは運動をしないグループに比べて20%も少ないことが判明しました。そして週に150分という、推奨量ちょうどの運動を行っていたグループは、全く運動していなグループに比べて死亡のリスクが31%も低かったとのこと。
上のウェブページでは、上記の研究や、20万人のオーストラリア人の健康調査データを調べた別の研究からは、「激しい運動が死亡率を上げる」という結果は出なかった、という点も紹介しています。
一方、以下のウェブページによると、運動のし過ぎには注意した方が良いかもしれません。
やり過ぎ厳禁! 適度な運動量ってどれくらい?
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/091500068/091600002/
上のウェブページは、約110万人の女性について日々の運動量と健康状況を9年間調べたところ、あるレベルまでは運動量が多くなるほど心臓病や脳血管疾患のリスクが低くなっていったが、ウォーキングやサイクリングなどの運動を「毎日欠かさず行う人」は、逆にリスクが高くなってしまったことを紹介しています。ケガの発生率や医療機関の受診日数が高まる具体的な数字として、「月200km以上走る人」を挙げてもいます。
長くなったので次のエントリーに続きます。