胃がん検査には胃カメラか?バリウムか?(1)の続きです。この投稿では、ひとつ前の投稿で紹介した記事とは異なる論調のウェブページを見ていきたいと思います。
胃の検査 http://www.katsuda-ichouka.or.jp/stomach.htm
上の記事では、胃がん、胃内視鏡検査(経口)、胃X線検査について解説したのち、「レントゲンと内視鏡、どっちがいいですか?」という項目を設けています。そこでは次のとおり述べています。
その質問に対する一番適切な答えは「両方一長一短があるから両方受けるのがいいでしょう」と答えるべきだろう。
[中略]
小さな病変が見つかると、レントゲンより内視鏡の評価が上がる。これはすばらしい事なのですが、一般に内視鏡を後でやるからこういう例ばかりが話題になる。しかし内視鏡の後でレントゲンをやると意外にも大きいガンが初めて発見される場合があることはあまり知られていない。
[中略]
レントゲンは胃の外側の病変も分かる事もある。また、スキルスという胃がんはレントゲンでは疑う余地のないほど明瞭に写るが、内視鏡では「そうかもしれない」程度しか分からない時がある。
このように述べたうえで、「バリウムがどうしても駄目な方は1年おきにレントゲンと内視鏡を交互にでも受ける事をおすすめします」と上の記事では述べています。「レントゲンが有用であった症例」というページへのリンクもあります。
院長コラム『胃カメラと胃バリウム検査』 https://www.sfc-dock.com/news/index.php?y=2016&m=01
上の記事では、「胃バリウム検査は、はたして、胃カメラに劣るのでしょうか」という問いを立てたうえで、次のとおり述べています。
実は、消化器内科医師の観点からしますと、胃カメラと胃バリウム検査とは、実はどちらが他方に勝っているという訳では必ずしもなく、本来、それらは相互に相補う検査方法と見なすべきと考えています。
実物の局所を分析できる胃カメラと、胃全体をレントゲンのかげ、陰影として総合評価できる胃バリウムとは相互補完されるべき検査どうしであり、両方実施して胃の全体像が概ね把握できるものと考えています。
このように述べたうえで、自身の不安、バリウムの負担と胃カメラの混み具合などを天秤にかけて、「たとえば、具体的には胃カメラと胃バリウム検査を隔年で交互に受けて頂いてもよろしいのではないか」と上の記事は提案しています。
一方、上の2つの記事のような論調(胃カメラが常に必ず勝っているわけではないという論調)を踏まえたうえで、次のウェブページは内視鏡検査を推奨しています。
人間ドックや会社の健康診断での胃バリウム検査だけで済ませていませんか? https://www.fukuoka-tenjin-naishikyo.com/knowledge/barium/
人によって、病気になるリスクや体質(どの検査を苦しいと感じるかなど)といった事情が異なるので、かかりつけの医師とも相談しつつ、最適と思われる検査を受けるのがよい、ということになるのでしょうか(管理人の個人的意見です)。
ABC検診や国立がん研究センター がん予防・検診研究センターによる「有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン」(2014年度版)について、次回以降の投稿で見てみたいと思います。