週150分の運動が体に良い?:運動と健康に関するウェブページ選(1)

「運動することは体に良い」、「健康維持のためには休息(睡眠)、食事、運動」などと一般に言われます。一方、運動もやり過ぎは体に悪い、というイメージもあります。最適な運動時間や運動量は、どのくらいなのでしょうか?

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健康にいい、適度な運動量ってどのくらい?
https://www.lifehacker.jp/2018/04/how-much-exercise-do-i-really-need.html

上のウェブページでは、世界保健機関、米国疾病予防センター、米国心臓協会の三機関による、有酸素運動についての見解として、以下を紹介しています。

・ウォーキングなど、中程度の運動を週150分。できれば1回30分を5回に分けるのが理想。
・ランニングなど、激しい運動を週に75分。25分を3回が理想。
・10分未満の運動は1回にカウントせず、できるだけ1週間のうちにまんべんなく分散させる(つまり、1回で90分やっても十分ではない)。

「中程度の運動を週150分。かつ、激しい運動を週に75分」なのか、どちらか片方だけで良いのか、どちらでしょうか。上記のウェブページには「近所を散策するのが好きなら、1つ目の方法がよさそうです。ハードなトレーニングが好きで、スポーツウェアの洗濯が億劫なら2つ目の方法がいいでしょう」とありますので、後者(どちらか片方)のように思えます。上の3機関の見解は、以下の各ページを指していると思われますが、原文にはやはりそのように書いています。原文は、上に加えて、筋力トレーニングを週2回以上行うべき、座っている時間を短くすべきとも述べています。

「体格のよい欧米人なら週150分かもしれないが、比較的小柄な日本人はそうでないのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、性別や人種にかかわりなく、18歳から64歳のすべての健康な人に上記は当てはまる旨が、以下のWHOのウェブページには書いてあります。

また、3機関の以下のウェブページには、心臓病や脳卒中、2型糖尿病、がんなどの予防、不安感や抑うつ感の低減、睡眠や認知機能の改善などを運動の効果として挙げています。効果をさらに上げるためには、中程度の有酸素運動を週300分、または、激しい有酸素運動を週に150分にまで増やすべきだとも述べています。

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Physical Activity and Adults
Recommended levels of physical activity for adults aged 18 – 64 years
https://www.who.int/dietphysicalactivity/factsheet_adults/en/

Physical Activity Basics
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How much physical activity do you need?
https://www.cdc.gov/physicalactivity/basics/index.htm?CDC_AA_refVal=https%3A%2F%2Fwww.cdc.gov%2Fcancer%2Fdcpc%2Fprevention%2Fpolicies_practices%2Fphysical_activity%2Fguidelines.htm

American Heart Association Recommendations for Physical Activity in Adults and Kids
https://www.heart.org/en/healthy-living/fitness/fitness-basics/aha-recs-for-physical-activity-in-adults

運動をすれば幸福度が上がる、ピークは毎日22分以上の運動量:研究結果
https://www.lifehacker.jp/2018/05/16706922minutes-mylohas.html

週に150分の運動」は、上のウェブページでもポイントになっています。上のウェブページは、ミシガン大学の研究者たちの報告を紹介しています。それによると、運動と幸福感との間には関連があり、10分の運動でも幸福感がアップする。満足度のピークは150分である、とのことです。

「適度な運動」の「適度」がどのくらいなのか研究で判明
https://gigazine.net/news/20150429-right-dose-of-exercise/

上のウェブページも、「週に150分の運動」に関して、アメリカ国立がん研究所とハーバード大学の研究チームによる、中年を中心とする66万1000人のデータをもとにした研究結果を紹介しています。例えば以下のとおり上のウェブページは述べています。

最も早世のリスクが高かったのは「全く運動しない」というグループ。しかし、意外なことに「推奨されている運動量に達しないものの、いくらかは運動を行っていた」というグループでも、早世のリスクは運動をしないグループに比べて20%も少ないことが判明しました。そして週に150分という、推奨量ちょうどの運動を行っていたグループは、全く運動していなグループに比べて死亡のリスクが31%も低かったとのこと。

上のウェブページでは、上記の研究や、20万人のオーストラリア人の健康調査データを調べた別の研究からは、「激しい運動が死亡率を上げる」という結果は出なかった、という点も紹介しています。
一方、以下のウェブページによると、運動のし過ぎには注意した方が良いかもしれません。

やり過ぎ厳禁! 適度な運動量ってどれくらい?
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/091500068/091600002/

上のウェブページは、約110万人の女性について日々の運動量と健康状況を9年間調べたところ、あるレベルまでは運動量が多くなるほど心臓病や脳血管疾患のリスクが低くなっていったが、ウォーキングやサイクリングなどの運動を「毎日欠かさず行う人」は、逆にリスクが高くなってしまったことを紹介しています。ケガの発生率や医療機関の受診日数が高まる具体的な数字として、「月200km以上走る人」を挙げてもいます。

長くなったので次のエントリーに続きます。

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飲酒は体に悪いかもしれない:アルコールと健康に関するウェブページ選

一般に、大量の飲酒は体に悪い一方、「酒は百薬の長」とも言われ、適量なら健康に良いイメージがあります。

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ところが、最近の医学研究の成果によると、一般に考えられているよりもアルコールの適量はずっと少ない可能性があるかもしれません。

ほどほどでも飲酒を続けると脳には有害?
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/10/post-8737.php

適量なら飲酒は健康にいい――という常識を覆して、少量でも長期に渡って飲酒を続けると脳がダメージを受けるという酒好きにはショッキングな研究結果

上の記事は、「週当たり14~21単位のアルコールを摂取していた人は、記憶や空間認知をつかさどる脳の部位である海馬が萎縮する確率が、飲まない人の3倍も高かった」という、2017年6月にブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)で発表されたオックスフォード大学とロンドン大学ユニバーシティーカレッジ(UCL)の研究を紹介しています。「イギリス政府の定めたガイドラインでは、飲酒は週に14単位以内にすべきとされている」ことも紹介しています。

上の記事によると、1単位は「度数4%のビールなら250ミリリットル、13%のワインなら76ミリリットルに相当する」とのことです。当ブログ管理人はビールをたまに飲みますが、日本でコンビニなどで買えるビールには、アルコール度数が5.5%とか、6%のものが多いように思えます。アルコール度数が6%のビールなら、上の計算で行くと、1単位は約167ミリリットルです。

上の記事を読むかぎり、「飲酒は週に14単位以内」がポイントであるように思われます。アルコール度数が6%のビールなら、1週間に約2.3リットル以内=1日に約333ミリリットル以内という計算になります。毎日350ミリリットル缶1本だと少しオーバーする、ということになります。

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1日にお酒1杯でも寿命縮めるリスク 英研究
https://www.bbc.com/japanese/43751566

上の記事も同様のことを紹介しています。上の記事は、「最新の大規模研究」の結果、「科学者たちは死亡リスクを上昇させない安全上限が、1週間あたりアルコール飲料約12.5ユニットだと発見した。これはビール約5パイント、あるいは平均以上のアルコール度数を持つワインを175ミリリットルのグラスで5杯分に相当する」ことを紹介しています。1パイントが何リットルかは、英国と米国で異なります。上の記事のタイトルに「英研究」とありますので、英国の数字を採用すると、1パイントは0.568リットルです。すると、死亡リスクを上昇させない上限は、1週間あたりビール2.84リットル=1日あたりビール約406ミリリットルということになります(ちなみに、もし、米国の数字(1パイント=0.473リットル)を採用すると、上限は1日あたりビール約338ミリリットルになります)。ひょっとすると、上記「ほどほどでも飲酒を続けると脳には有害?」のように、ビールと言っても、日本でコンビニなどで買えるビール(度数6%とします)よりもアルコール度数が低いものが想定されているかもしれません。もしそうだとすると、度数6%のビールを飲む場合、上限はもっと低くなります。

上のほかにも、複数のウェブページが、同様の研究結果を紹介するなどしています。

「適量のお酒」ですら脳の認知機能の低下を早めるとする調査結果
https://gigazine.net/news/20170613-moderate-drinking-cause-brain-decline/

→上記「ほどほどでも飲酒を続けると脳には有害?」と同じ研究を紹介しています。

1週間に7杯を超える飲酒が寿命を縮めるという研究結果
https://www.mylohas.net/2018/06/169184drinking.html

→内容から判断して、上記「1日にお酒1杯でも寿命縮めるリスク 英研究」と同じ研究を紹介しています。

「お酒を飲むことは総合的に見て健康に悪い」という研究報告
https://gigazine.net/news/20180824-alcohol-lead-disease-worldwide/

BMJ誌から 「適度な飲酒は健康に良い」は統計のマジック 様々なバイアスを考慮した解析では、飲酒で健康になれる人はわずか
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/bmj/201503/540993.html

上の各ウェブページのほかにも、精神科医の先生が運営している「Dr 林のこころと脳の相談室」というウェブサイト(http://kokoro.squares.net/)では、「酒は百薬の長」という諺には後半があり、「酒は百薬の長、されど万病のもと」ということを紹介しています(※)。アルコールは、医学的には、麻薬や覚醒剤と同じドラッグの一種であり、世界の歴史を見れば、ドラッグの合法・非合法の区別はまったくまちまちである、現代の日本でたまたま合法化されているにすぎないと指摘もしています(※※)。
(※)アルコール依存症>書斎 http://kokoro.squares.net/alstd1.html
(※※)アルコール依存症 http://kokoro.squares.net/al0.html

本エントリーで紹介した各ウェブページは、主に、長期にわたる飲酒について述べているのであって、アルコールを1日たりとも絶対に飲んではならないとは言っていません。当ブログ管理人は、この記事を書くために、日本のビールメーカーのウェブサイトを参照していましたが、そうしているうちにビールが飲みたくなってしまいました(笑)
ともあれ、アルコールは、一般にイメージされているよりも少ない量で健康に悪影響を及ぼすようだ、と意識しておこうと思います。

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あなたはもっと寝た方が良いかもしれない:睡眠時間に関するウェブページ選(3)

あなたはもっと寝た方が良いかもしれない:睡眠時間に関するウェブページ選(2)の続きです。前回まで、自分に必要な睡眠時間(7~9時間または6~8時間)の確保が健康維持のためにとても重要であることや、短時間睡眠でも大丈夫なショートスリーパーはほとんどいないことなどを見てきました。本エントリーでは、睡眠時間に関連する、興味深いウェブページをさらに紹介します。

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何があっても毎日絶対8時間睡眠を2ヶ月間続けてわかった4つのこと
https://www.tettyagi.com/entry/2018/02/28/175443

7~9時間の睡眠を推奨する意見や、睡眠不足の危険性などを前回のエントリーまで見てきました。ところが、忙しく働くビジネスパーソンなどにとって、睡眠時間をそれだけ確保するのは簡単でない場合もありそうです。

上の記事では、「何があっても8時間眠ると決めたら絶対に8時間」眠り、「体を張って実際に8時間睡眠を2ヶ月間ぐらい」やってみた結果をレポートしています。面白い記事なので、詳細はリンク先を参照してください。

睡眠時間を確保するためには、日中の活動を効率化したり、見直すなどして時間をつくることのほかに、寝つきを良くする工夫もしたいところです。以下のウェブページが役に立つかもしれません。

第二次世界大戦中に米海軍が開発した「2分以内に眠りにつく方法」とは?
https://gigazine.net/news/20180326-sleeping-in-2-minutes/

上のページでは、第二次世界大戦中にアメリカ海軍によって研究・開発された、「肉体的にリラックスする方法」と「精神的にリラックスする方法」が紹介されています。

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かぶって寝るだけ。音と光を遮断する快眠ドーム「IGLOO」
https://www.lifehacker.jp/2018/01/180107_amazon-igloo.html

「吸音と遮光に優れた素材を使い、快適な睡眠をサポートする快眠グッズ」。「音と光をさえぎることで、快適な睡眠をサポート」してくれるとのことです。たしかに、一般的なアイマスクにはない防音性がありそうです。

「私の人生は睡眠不足だったが、良い人生だった」ということはありえそうです。人は眠るためだけに生きているわけではないかもしれません。しかし、ほとんどの人にとって健康は重要で、本エントリーまでの3つの投稿の中で紹介したウェブページによれば、健康のためには睡眠の確保は重要です。工夫や努力で、睡眠時間を確保していきたいものです。

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あなたはもっと寝た方が良いかもしれない:睡眠時間に関するウェブページ選(2)

あなたはもっと寝た方が良いかもしれない:睡眠時間に関するウェブページ選(1)の続きです。前回のエントリーでは、1日に7~9時間の睡眠時間が必要だとする説などを紹介しました。それに対して、自分はショートスリーパーだから大丈夫、と思う人もいるかもしれません。ところが話はそう甘くないようです。

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自分に必要な睡眠時間は実際のところどのくらいなのか?
http://gigazine.net/news/20170418-sleep-you-need/

「ショートスリーパー」という言葉を聞いたことがある人もいるかもしれませんが、実際のところ、彼らの数は人口の1%に過ぎません。

自分はショートスリーパーだから7~9時間も寝なくて大丈夫、と思う人もいるかもしれませんが、上の記事によると違います。1日2~3時間だけ眠れば十分というショートスリーパーは全人口のうちわずかであると解説しています。

上の記事を読んで、当ブログ管理人は、1日6時間だけ眠れば十分、くらいの「ショートスリーパー」ならもう少し大きな割合でいるかも?という感想を持ちました。実際、次のような記事もあります。

「早寝早起き」に囚われるな。「国民総寝不足」の日本人が知るべき睡眠研究からわかった事実
https://www.lifehacker.jp/2018/09/sleep-iiis-10th.html

多くの研究者が同意しているのは、大多数の成人にとって必要な睡眠量は6時間から8時間ぐらいだということです。

上の記事によれば、1日の睡眠時間を6時間確保していれば大丈夫な可能性があります。一方、それを下回ると危ないようです。上の記事では、1日の睡眠時間が6時間よりも少なくて十分な人はほとんどいないと、次のように解説しています。前述の「自分に必要な睡眠時間は実際のところどのくらいなのか?」と似ています。

6時間以下で充分な人は、ほとんどいないと言っていいでしょう。ゼロではありませんが、100人に1人いるかどうかの割合です。

ほかにも、寝不足が慢性的に蓄積した状態の目印のひとつとして「「早く起きて活動する平日」と「早く起きなくてもよい休日」の睡眠時間の差が2時間を超えたら危ない」という指摘など、上の記事は示唆に富んでいます。

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以上紹介したウェブページの主張を総合すると、具体的な数字は研究者によって異なりますが、次のように言えそうです。ひょっとすると、多くの人の実情やイメージよりも多くの時間を睡眠にあてる必要があるかもしれません。

  • 自分に必要な睡眠時間(以上のウェブページによれば、7~9時間または6~8時間)を確保することが、健康維持のためにとても重要。
  • 短時間睡眠でも大丈夫なショートスリーパーは、実はほとんどいない。

長くなったので次のエントリーに続きます。

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あなたはもっと寝た方が良いかもしれない:睡眠時間に関するウェブページ選(1)

健康のために、1日何時間の睡眠をとればよいのでしょうか?
バリバリ働くビジネスパーソンにとって、いや、忙しい主婦や学生、健康に気を使うすべての人にとって、重要な問題だと思います。「睡眠負債」が2017年の流行語大賞にノミネートされもしました。仕事や家事、学業と睡眠時間の最適なバランスは、どこにあるのでしょう?そもそも、健康に良い睡眠時間は、どのくらいの長さなのでしょう?

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ドキッとする見出しの以下の記事は、1日7時間以上眠ることを推奨しています。

「睡眠時間が7時間未満だと早死にしやすい」と断言する睡眠研究の権威による「いかに眠るべきか」のアドバイス
http://gigazine.net/news/20171006-matthew-walker-sleep-advice/

上の記事では、カリフォルニア大学バークレー校のマシュー・ウォーカー教授の発言を紹介しています。例えば、「どのくらい睡眠を取るべきですか?」との問いに対して、次のとおり答えています。

成人の場合、推奨するのは「7時間から9時間」です。幅があるのは摂取カロリーのように個人差があるからです。ただし、下限(7時間)は厳格な境界線です。

死にたくなければ「1日8時間睡眠」を死守しなさい
https://courrier.jp/news/archives/108303/

やはりウォーカー教授が登場する上の記事は、日ごろ寝不足の人には怖い、次のような指摘をしています。

アルツハイマー病やがん、糖尿病、肥満、精神病は、睡眠不足と密接に関係している
[中略]
睡眠不足とは、睡眠時間が1日7時間未満のことを指す

ほかにも、睡眠時間の確保、睡眠不足を避けることの重要性が、次のように指摘されています。

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6時間睡眠を続けている人は自分で気づかないうちに徹夜した人並みに認識能力が落ちている
https://gigazine.net/news/20160315-six-hours-sleep/

6時間以下の睡眠を続けている人は自分では「ちゃんと睡眠を取れている」と思っていても徹夜した人の認識能力とほぼ同じであるという研究結果が明らかになりました。

お父さんが「眠れない」のは、心の問題ではない
https://business.nikkeibp.co.jp/article/person/20100510/214321/?P=2

全てに優先するのは睡眠の確保です。

上の発言は、精神救急医療の文脈におけるものですが、日常生活を送るうえでも示唆的だと思います。

長くなったので次のエントリーに続きます。

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胃がん検査には胃カメラか?バリウムか?(3)

胃がん検査には胃カメラか?バリウムか?(2)の続きです。この投稿では、ABC検診や国立がん研究センター がん予防・検診研究センターによる「有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン」(2014年度版)に関する興味深いウェブページを見ていきたいと思います。

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ピロリ菌は胃癌の最大原因
http://naisikyou.com/iii/ca2.htm

上の記事では、慢性胃炎の治療(=ピロリ菌の除菌)により胃がんが予防できる、予防効果は感染の初期(胃の粘膜が萎縮する前)は著明だが感染の後期(粘膜が萎縮した後)では小さい、若い方の除菌が胃癌予防のキーワードである、と述べています。さらに、次のように解説しています。

ピロリ菌に感染していると年間0.4%の確率で胃癌になると統計的に予測されています
例えば50歳の方で余生を30年と仮定すると胃癌になる確率=30X0.4=12%と予測できます
[中略]
厳密に調べると胃癌の患者さんでピロリ菌陰性の方は「非常に稀(1%)」です
[中略]
ただしこれは「ピロリ菌に長期感染した高齢者も除菌すれば胃癌にならない」というのとニュアンスが少し違います。

一番合理的な検査は?
http://naisikyou.com/iii/blood2.htm

同じサイト内の上の記事では、ABC検診(ピロリ菌検査とペプシノーゲン検査(慢性胃炎の検査))について紹介するとともに、次のとおり述べています。

慢性胃炎の進行する前に(若いうちに)早期にピロリ菌を除菌すれば胃癌は予防できます。

当サイトの管理人は、胃カメラもバリウムも苦しいと聞いていたため、それらの受診を躊躇していた時期がありました。その頃に上の2つの記事を読み、個人的に大変参考になりました。ABC検診も受診しました。同じサイト内に「キットによる自宅でのピロリ菌の検査・除菌システム(家族全員での検査が可能です)」(http://naisikyou.com/hongo/uv2.htm)というページもあります。サイト内の構成や、ページ同士のつながりがやや分かりづらい印象を個人的に受けますが、参考になる情報が豊富なので、関心のある方はサイト内をくまなくチェックするとよいと感じます。

ABC検診を上のように推奨するページがある一方、胃カメラやバリウムに比べると有効性が低いとする、以下の文献もあります。

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「有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン」(2014年版)
http://canscreen.ncc.go.jp/pdf/iganguide150331.pdf

国立がん研究センター がん予防・検診研究センターが2015年3月に公表したものです。このガイドラインでは、胃 X 線検査を「複数の観察研究において死亡率減少効果を示す相応な証拠があり、その結果には一貫性がある」(p1)、胃内視鏡検査 を「複数の観察研究において死亡率減少効果を示す相応な証拠がある」(p1)と評価しています。対策型検診(住民検診)としての実施、任意型検診(人間ドックなど)としての実施、いずれも推奨しています。

一方、このガイドラインにおいて、ペプシノゲン検査とヘリコバクターピロリ抗体検査の併用法(ABC検診)について「死亡率減少効果を検討した研究はなかった。不利益については偽陰性、偽陽性、過剰診断の可能性がある」(p2)とし、住民検診として実施することは勧められないことや、任意型検診(人間ドックなど)として実施する場合には、個人の判断に基づく受診は妨げない旨を述べています(p4、63など)。

おわりに

当ブログ管理人は、2018年に人間ドックを受診しました。検査項目にバリウムもABC検診も両方あり、今回も、前回までも、ABC検診は「異常なし」でした。ところが今回、バリウム検査の結果、「胃炎」とのことでした。人間ドック後の医師のコメントは次のようなものでした。

  • ABC検診が異常なしでも、胃炎がある場合はある。
  • 当ブログ管理人の胃炎の程度は軽い。と言うか、胃炎と判定するかどうか、医師によっても判断が分かれるレベルである。前回のレントゲン写真と同じ状態であり、前回と今回で判定を担当した医師が別々だったため、判定結果も分かれたものと思われる。

ネットでいろいろ勉強して(勉強したつもりになって)、「ABC検診で異常なしイコール胃炎はなし」だと思っていた身としては、上の結果とコメントは意外なものでした。考えてみれば、膨大な医学的知識を、ネット上でかじっただけで素人が完全に身につけるなんて、不可能だと思われます(立場を入れ替えて想像してみると、何年もかけて覚えた自分の仕事も、外部の人がすぐ替わりにできるものでじゃありませんし)。

ネットや新書などで事前に勉強し、予備知識を得ておくことは大事だと思いますが(ただし情報の真偽を見極める力を養うことも必要)、「検査方法は絶対これがよい(自分はこれしか受診しない!)」のように決めつけず、プロである医師の指示やコメントをよく聞くことが大切だな、と改めて思いました。それでも、自分にとってのメリットを考えるきっかけになりそうなので、胃がん検査には胃カメラか?バリウムか?を3回に分けてアップしました。

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胃がん検査には胃カメラか?バリウムか?(2)

胃がん検査には胃カメラか?バリウムか?(1)の続きです。この投稿では、ひとつ前の投稿で紹介した記事とは異なる論調のウェブページを見ていきたいと思います。

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胃の検査 http://www.katsuda-ichouka.or.jp/stomach.htm

上の記事では、胃がん、胃内視鏡検査(経口)、胃X線検査について解説したのち、「レントゲンと内視鏡、どっちがいいですか?」という項目を設けています。そこでは次のとおり述べています。

その質問に対する一番適切な答えは「両方一長一短があるから両方受けるのがいいでしょう」と答えるべきだろう。
[中略]
小さな病変が見つかると、レントゲンより内視鏡の評価が上がる。これはすばらしい事なのですが、一般に内視鏡を後でやるからこういう例ばかりが話題になる。しかし内視鏡の後でレントゲンをやると意外にも大きいガンが初めて発見される場合があることはあまり知られていない。
[中略]
レントゲンは胃の外側の病変も分かる事もある。また、スキルスという胃がんはレントゲンでは疑う余地のないほど明瞭に写るが、内視鏡では「そうかもしれない」程度しか分からない時がある。

このように述べたうえで、「バリウムがどうしても駄目な方は1年おきにレントゲンと内視鏡を交互にでも受ける事をおすすめします」と上の記事では述べています。「レントゲンが有用であった症例」というページへのリンクもあります。

院長コラム『胃カメラと胃バリウム検査』 https://www.sfc-dock.com/news/index.php?y=2016&m=01

上の記事では、「胃バリウム検査は、はたして、胃カメラに劣るのでしょうか」という問いを立てたうえで、次のとおり述べています。

実は、消化器内科医師の観点からしますと、胃カメラと胃バリウム検査とは、実はどちらが他方に勝っているという訳では必ずしもなく、本来、それらは相互に相補う検査方法と見なすべきと考えています。
実物の局所を分析できる胃カメラと、胃全体をレントゲンのかげ、陰影として総合評価できる胃バリウムとは相互補完されるべき検査どうしであり、両方実施して胃の全体像が概ね把握できるものと考えています。

このように述べたうえで、自身の不安、バリウムの負担と胃カメラの混み具合などを天秤にかけて、「たとえば、具体的には胃カメラと胃バリウム検査を隔年で交互に受けて頂いてもよろしいのではないか」と上の記事は提案しています。

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一方、上の2つの記事のような論調(胃カメラが常に必ず勝っているわけではないという論調)を踏まえたうえで、次のウェブページは内視鏡検査を推奨しています。

人間ドックや会社の健康診断での胃バリウム検査だけで済ませていませんか? https://www.fukuoka-tenjin-naishikyo.com/knowledge/barium/

人によって、病気になるリスクや体質(どの検査を苦しいと感じるかなど)といった事情が異なるので、かかりつけの医師とも相談しつつ、最適と思われる検査を受けるのがよい、ということになるのでしょうか(管理人の個人的意見です)。

ABC検診や国立がん研究センター がん予防・検診研究センターによる「有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン」(2014年度版)について、次回以降の投稿で見てみたいと思います。

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胃がん検査には胃カメラか?バリウムか?(1)

ここ数年、人間ドックを継続的に受けています。受診している病院では、内視鏡検査(胃カメラ)かX線造影検査(バリウム)を選択することになっており、毎回悩みます。経験上、バリウムを飲んだ後は苦しいのですが、胃カメラのほうが苦しいと聞いたこともあるし・・・

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医師などが書いたネット上の記事には、胃カメラを薦めるものが目立ちます。

胃がん検査にはバリウムよりも胃カメラを!胃がんだけでなく、食道がんも発見できる? https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/091200163/100500004/

胃カメラとバリウム検査は、両方とも一長一短があり、胃がん検診としてどちらが優れているか(=どちらが早期の胃がんをより見つけるか)は一概には言えないと前置きしたうえで、上の記事では次のとおり述べています。

ただし一つ、決定的に違うところがあります。それは胃カメラの場合、「食道も詳細に観察することができる」ということです。
[中略]
胃がん検診のついでに食道がん検診もできる胃カメラを選択した方が、当然、健康管理上のメリットは大きくなります。
実際に、消化器専門の医師で、自分の胃がん検診をバリウム検査で行っている医師はほとんどいないと思います。少なくとも私の周囲には一人もいません。

現役医師がホンネで勧める「胃の検査」 https://allabout.co.jp/gm/gc/454230/

胃の検診には「胃バリウム検査」や「胃内視鏡検査」、「胃がんリスク検診(ABC検診)」があることや、それぞれについて紹介したうえで、次のとおり述べて、胃カメラを推奨しています。

消化器専門の医師に「自分が受けるなら、バリウムと内視鏡のどちらを受けますか?」と聞くと、ほぼ全員「内視鏡検査」と答えるでしょう。内視鏡検査の方がクリアに胃の中を見ることができ、同時に組織検査も行えるので、バリウム検査よりも優れていると考えている医師が多いからです。

上の記事では、「機材が同じでも、医師の腕前により検査のキツさや診断の正確さが異なる可能性」があるため、「担当医の情報があったほうが安心かもしれません」と述べています。しかし、医師の先生の腕前に関する正確な情報を一般の受診者が得るのは、簡単ではないようにも感じます。

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胃がん検診は胃X線検査(バリウム)か胃カメラか https://www.yoshiokaclinic.com/blog/2013/10/x-650518.html

上の記事は、以下の引用箇所のように、胃カメラを強く薦めています。胃がん検診として推奨できるのは胃のX線検査(バリウム検査)のみという「胃がん検診ガイドライン」案(当時。2018年現在は異なります)に対して、強く反論しています。

皆さんはできる限り胃カメラを選択なさってください。
バリウム検査も受けないよりは受けた方がましですので、
胃カメラがどうしても苦手な方はそちらもご考慮ください。

上の2つめの記事にも書いてあるとおり、胃がん検査には胃カメラやバリウムのほか、ABC検診というものもあります。また、上の3つの記事と異なる論調のウェブページもあります。さらに、国立がん研究センター がん予防・検診研究センターが「有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン」(2014年度版)を策定しています。それらについて、次回以降の投稿で見てみたいと思います。

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